Q.どんな人が通っているの?
ピボットには『精神障害』『知的障害』『身体障害』『難病』の方が通われています。
そのうちの多くは、精神障害がある利用者様です。
なのでこの記事では、『精神障害』の症状についてお話します。
*「就労移行支援とは」を知りたい方はこちらの記事をどうぞ
◇うつ病
うつ病は、心のエネルギーが足りなくなり、憂うつな気分が続いたり意欲の低下が起こったりする病気です。
本来私たちは日常生活の中でイヤなことがあったり、悲しい出来事があってご飯が食べられないほど落ち込むことがありますが、時間がたてば心のダメージを自分で癒すことができます。
しかし、心のエネルギーが無くなってしまうと、受けたダメージを癒すこともできなくなってしまいます。
・時間がたっても憂うつな気持ちが続いてしまう、どんどん酷くなる
・良いことがあっても気分が晴れない
・食事、入浴などの日常生活に支障を来す
・趣味や他者とのコミュニケーションがおっくうに感じる
などといった症状が現れます
うつ病の原因はさまざまですが、仕事熱心・几帳面・完璧主義といった真面目な方ほど
心のエネルギーを使い果たし、うつ病になってしまう傾向があると言われています。
うつ病の治療には「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」が大きな柱とされています。
就労移行支援事業所では、通所を通して生活のリズムを整えるところから始まり、
通所が安定してきたら、スタッフや他の利用者様とお話をしたり、メンタルのトレーニングをすることで心のエネルギーを回復することができます。
◇双極性障害(躁うつ病)
双極性障害は躁状態(気分が高揚し、活動的になる)と
うつ状態(気分がひどく落ち込む、意欲がなくなる)といった両極端な状態を反復する病気です。
双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。躁状態とうつ状態の周期により診断名がつきます。
躁状態には以下のような症状があります
・自分が最強になったように感じる
・眠らなくても平気
・活動的になり、おしゃべりになる
・散財してしまう
・ささいなことでイライラしてしまう …など
上記のような状態が続いた後、以下のようなうつ症状が現れます
・何をするにもおっくう
・今まで楽しめたことが楽しめない
・眠れない、もしくはたくさん寝ても眠い
・先日(躁状態)の自分が愚かだったと感じる …など
双極性障害の治療は主に薬物療法や心理社会的療法が行われます。
就労移行支援事業所では、スタッフの客観的な目線からのアドバイスを得ることができます。
日々の雑談や訓練の中で、気分の波に気付くきっかけを作ります。
◇発達障害
発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など、脳機能の発達に関係する障害です。ただし、この3つの症状が混ざり合うことも多いです。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)は、対人関係が苦手・強いこだわりがある、といった特徴があります。
知的障害を伴う場合と伴わない場合があります。
知的発達の遅れがない場合、成績や日常生活で困りごとが見られずないまま大人になるといったケースも少なくありません。
しかし、大人になればなるほど対人関係や仕事での困りごとが増えていき、生きづらさを感じたり、自己肯定感の低下に繋がったりします。
学習障害(LD)
学習障害(LD)は、知的発達に遅れはないものの、特定の学習に困難が生じる発達障害です。
特定の学習とは主に
・読む ・書く ・計算する のことを指します。
知的発達に遅れがないため、困難に陥っても「本人のなまけだ」と勘違いされてしまい、苦しい思いをされる方もいます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、多動・衝動性と不注意を主な特徴とする発達障害です。
じっとしていられない、待つことが苦手、おしゃべりがすぎる…などが多動・衝動性
集中力が続かず気が散りやすい、物を無くしやすい、ケアレスミスが多い…などが不注意性にあたります。
不注意性が強く出る一方で多動・衝動性があまり顕著にならない方もおり、学校で見逃されてしまうケースもあります。
就労移行支援では、得意なこと・苦手なことを整理し、自己理解を深めながら対策を一緒に考えます。
必要に応じて、ソーシャルスキル・トレーニングも行っています。
他にもHSP(生まれつき感覚が敏感で刺激を受けやすい人)や社会不安障害(SAD)の方もおられます。
それだけ、さまざまな障害がある方々が就労移行支援事業所を利用します。
精神障害の方は障害者手帳がなくても利用できますので、「自分が対象になるかわからない」と不安に思っておられる方も、気軽にお問合せください!